※開催期間、入場料などの変更点を修正しました(2024/5/31)
東京、豊洲にある「チームラボプラネッツ TOKYO DMM」は、「水に入るミュージアム」として、2018年7月にオープンしてから、この4月のリニューアルで、2つの新たな作品が加わりました。
先日行われたプレス会に参加し、「チームラボプラネッツ」を体験してきました。
「チームラボプラネッツ」は、足湯としても楽しめる……!
いや、この表現だとちょっと語弊があるかもしれませんので、以下、詳しく説明させてください…
同時期にオープンした2つのチームラボ
チームラボは世界で活躍するアートコレクティブ。日本国内でも数々の常設展、特設展を展開しています。
「チームラボプラネッツ(以下プラネッツ)」がオープンしたのは、お台場(※2024年2月より麻布台ヒルズ)「チームラボボーダレス(以下ボーダレス)」がオープンした直後。東京にチームラボの常設展が2つほぼ同時にオープンすることで、どちらかというと先にオープンした「ボーダレス」のほうが大きな話題となったように記憶しています。
きっと、2施設ほぼ同時オープンだったので、プラネッツかボーダレス、どちらかしか見ていない人も多いのではないでしょうか。
私自身がまさにそうです。子どもと一緒に行くこともあり「ボーダレス」を選んで、そのまま「プラネッツ」は未体験のまま過ごしてしまいました。
ちなみに「ボーダレス」はお台場パレットタウンにあり、特設の屋内会場には「学ぶ!未来の遊園地」や「アスレチックス 運動の森」などの作品があります。大人も子どもも一緒に、アートの中に溶け込み、作品と一体化できるデジタルアートミュージアムです。
作品ひとつひとつを見ると似ているものもありますが、「プラネッツ」は、「まず最初に靴を脱ぐ」という点が、「ボーダレス」や他のミュージアムとは大きく異なるところ。
そして、館内全体を素足で進んでいくように作られています。
「水に入るミュージアム」なので、初めにロッカールームで靴と靴下を脱ぎます。
家の中に入る時に靴を脱ぐ習慣のある日本人にとっては、あまり不思議はないかもしれませんが、アートミュージアムで「靴を脱ぐ」「裸足になる」という点は、海外の方から見るとかなり驚きなのではないでしょうか。
だからでしょうか。「プラネッツ」は、海外から様々な人々が、チームラボを体験するために、時には自家用ジェットで、時にはお忍びで、時には普通のお客様に交じって訪れるそうです。
世界中に広がっているチームラボの作品の中でも「足の裏からも感じるアート作品」というのは、今のところ、ここにしかありません。
開館からすでに200万人以上が訪れている(2021年3月現在)そうですが、実は世界各国から誰もが知るような著名人がたくさん訪れているとのこと。(広報の方からこっそり教えていただきました。)
素足で感じるミュージアム
チームラボの作品にはいつも「観る人も作品の中に入り込んで楽しめる」仕掛けがたくさんあります。
たとえば、光や絵が、人が触れたり近づいたりすることで、変化していくところ。絵はいつも絶えず外部からの要素を取り込み、人がいることで生まれる新しい軌道を描き、なんどきも、同じ絵を描くことはありません。
観る人が作品に近寄ったり触れたりすることで、作品そのものが変化してききます。ということは、観る人はもうすでに、その作品の一部になるわけです。
その「アートとの一体化」を、より感じることができる「裸足」という状況。靴を脱いで裸足になることで、足の裏からも感じるものがある。裸足になることで、私も感覚が研ぎ澄まされるのを感じました。
床の柔らかさ、水の刺激、水面に揺れる魚たち、向こう側にいる相手から届く光の色。
「アートは目で見るだけではなく、体全体で感じてほしい」製作者たちのそんな気持ちがより伝わってくると感じました。
足湯のような心地よさ
中でも「人と共に踊る鯉によって描かれる水面ドローイング/Drawing on the Water Surface Created by the Dance of Koi and People – Infinity」は、「足湯」のような心地よさのある空間が特徴です。
ほんのり温かい(たぶん37℃ぐらい)乳白色の水は、水深30cm程度でしょうか。その水面をスクリーンに、水の上をスイスイと鯉が泳いでいます。ザブザブと鯉に近寄ったとき、鯉は花びらとなって散ってしまいます。
生あるもの、花や動物などの自然にまつわるもの、この世の神羅万象のはかなさを、作品を通して語りかけてくるのがチームラボのもうひとつの特徴でもあります。
立ち止まっていれば、鯉たちは人間を避けて泳ぎ続けます。追いかけた鯉がはかなく散りゆく様も、とても美しく描かれるので、ほんのり温かい湯に足を包まれながら、飽きることなく鯉たちを眺めていることができる空間です。
裸足で登る水の滝
「坂の上にある光の滝/Waterfall of Light Particles at the Top of an Incline」は、川のように流れてくる水の坂をのぼっていく作品です。登り切った場所に、光の滝があります。水しぶきのひとつひとつを光で照らし、まるで光でできた滝のように見えます。
屋内の美術館で、川を登り滝を眺めるというこの作品。川を登り水の冷たさを足に感じながら、川の流れる自然豊かな場所をふと思い浮かべました。
東京の真ん中(豊洲)にあって、豊かな自然を頭に呼び起こすことができるというアートの力。とても興味深い体験でした。
そのほかの作品
館内にはいくつかの作品があり、ゆっくり歩いて進みながら、時にはその空間で立ち止まったり、座り込んでじっと眺めたり、はたまた寝転んで全体を眺めるような作品もあります。
座り込んだり寝転んだりできるのは、靴を脱いで入る場所だからこそできることかもしれません。
「The Infinite Crystal Universe」は、チームラボの他の作品でも見ることがありますが、「プラネッツ」のそれは、裸足で歩くので、それだけといえばそれだけなのに、なんだか違った印象を受けるのです。
「炎」を描いた新たな作品
2021年4月から、館内にある作品1つと、屋外にあるパブリックアート1つ、計2つの作品が新しくなりました。
屋外に展示されたパブリックアートは「空から噴き落ちる、地上に憑依する炎/Universe of Fire Particles Fallinf From the Sky」。
炎が上から噴き落ちてくる、という状態は、たぶん自然界では目にすることのない現象です。空間上に描かれた線で炎を表現しています。
この作品も、人が近寄れば炎の形が変化し、そこにいる人の影響を受けて、描かれる炎は永遠に変化し続けます。
館内の「足湯エリア(と敢えて呼ばせていただきます)」の一角に新たに登場した「憑依する炎/Universe of Fire Particles」は、同じように線で描かれた炎であり、こちらは通常の炎のように、上に向かって大きくなったり小さくなったりします。
ただし、こちらの炎も自然界と異なる動きをします。壁にぶつかって跳ね返ったり、天井にぶつかって変化していきます。
そして、水面に映るもうひとつの炎は、上から下に向かっていくのです。
平面化された自然美
チームラボが描く花や魚は、すべて平面化された絵なのだそうです。遠近法で描かれた絵ではなく、例えば浮世絵で描かれたような描かれ方は、日本人にはなじみのある手法ではありますが、海外の方から見ると、なんとも不思議に映るそうですよ。
例えば、炎は線の集合体で描かれています。それは炎を平面化するため。館内で描かれている花や魚たちも、遠近法では描かれていません。だから、チームラボの作品は「どこかに立ち止まって絵を鑑賞する」のではなく、「回遊しながら観る」ことができるのだそうです。
チームラボプラネッツ詳細
ということで、他のチームラボを見たことがある人も、ない人も、以前「プラネッツ」を見たという人も、この機会に「プラネッツ」を体験してみてはいかがでしょうか?
お湯アナとしては、「プラネッツ」を体験して、足湯的な観点から、足湯とアートの新しい融合としての可能性を感じました。
他のチームラボにはない、裸足で過ごす空間の気持ち良さ。そのほか、アートとの一体感、楽しさなどを満喫できる空間です。
チームラボプラネッツ TOKYO DMM
会期 2018年7月7日~2022年末 → 2027年末まで延長
場所 東京都江東区豊洲6-1-16
料金(2024.7/21.まで)
大人(18歳以上) 平日3,800円、土休日4,200円
中学生・高校生 平日2,800円、土休日2,800円
小人(4歳~12歳)平日1,500円、土休日1,500円
3歳以下無料
障がい者割引 平日1,900円、土休日2,100円
料金(2024.7.22.以降)
大人(18歳以上) 4,200円
中学生・高校生 2,800円
小人(4歳~12歳)1,500円
3歳以下無料
障がい者割引 2,100円
期間限定クーポン実施中(※現在は終了しています)
4月23日(金)まで15%OFFクーポンが利用できます。
公式サイトからのチケット購入時に、クーポンコード「planets」を入力すると15%OFFの割引価格で購入できるそうです。大人チケット3,200円→2,720円に。
新しい作品やリニューアルなどのタイミングで期間限定クーポンが出ることがあります。
また、福利厚生やJAF会員優待などで割引制度があるようです。
お出かけ前に一度、さがしてみてくださいね。